レセプトが返戻されると、再請求の手間だけでなく入金が遅れ、院の資金繰りにも影響します。返戻の原因は実はパターンが決まっており、提出前に3つのポイントを確認するだけでかなりの件数を防げます。この記事では返戻の主な原因と、明日からできる具体的なチェック方法をまとめました。

返戻の主な原因1:負傷原因の記載が不十分

「いつ、どこで、どうして負傷したか」が曖昧なまま提出すると、保険者から原因照会や返戻が来やすくなります。特に施術が1ヶ月以上続く場合や、部位が増える場合は、負傷原因の具体性がより厳しく見られる傾向があります。「転倒して受傷」だけでなく「〇月〇日、自宅階段で足を踏み外し転倒し受傷」のように、誰が読んでも状況がわかる記載を心がけましょう。

返戻の主な原因2:多部位施術の整合性

3部位以上の施術では、2部位目・3部位目の料金が逓減される仕組みがあり、4部位目以降は原則算定できません。部位数が多いレセプトほど、負傷原因や経過との整合性を保険者が確認する対象になりやすくなります。「本当にその部位すべてに施術が必要か」「各部位の負傷理由が矛盾していないか」を提出前にもう一度見直すことが大切です。

返戻の主な原因3:長期施術の理由記載漏れ

初検から一定期間を超えて頻回に施術を続ける場合、長期施術理由の記載が求められます。この記載が抜けている、または「経過観察のため」といった漠然とした内容だと、返戻や照会の対象になりやすくなります。症状の変化や施術効果、今後の見通しを具体的に書くことがポイントです。

現場でできる工夫

紙カルテのその場に「負傷原因」「経過」「長期理由」の記入欄を作っておくと、施術直後に書き漏らしを防げます。月末にまとめて書こうとすると記憶が曖昧になり、記載が薄くなりがちです。

提出前チェックで防ぐ実務のコツ

これらは特別な設備がなくてもすぐに始められる工夫です。ただ、部位数が多い院や施術者が複数いる院では、目視だけのチェックに限界があるのも事実です。手書きカルテをスマホで撮るだけでAIが下書きを作り、提出前に返戻につながりやすい記載漏れや多部位逓減の見落としを先読みして知らせてくれる「ソクヨヤ」のような仕組みを使うと、チェックの抜け漏れを減らしやすくなります。今のレセコンを変えずにCSVで取り込めるため、運用を大きく変える必要もありません。

今日やれる一手

今月提出予定のレセプトのうち、3部位以上・施術期間が長いものを2〜3件選び、負傷原因と長期理由の記載を声に出して読み直してみてください。読んでいて状況が想像できなければ、それが返戻の火種です。