「患者数は減っていないのに、売上が伸びない」。そんな悩みを持つ院長は少なくありません。その原因の多くは、患者数ではなく客単価にあります。
1日の来院数を無理に増やそうとすると、施術の質もスタッフの体力も限界に近づきます。一方で客単価が上がれば、同じ来院数でも売上は変わります。この記事では、整骨院が客単価を上げるための考え方と、その土台になる自費メニューの作り方を、来週から動ける形でまとめました。
客単価が上がらない構造 / 保険中心の限界と自費の考え方 / 自費メニューの作り方 / 無理のない提案トーク / 継続の仕組み / やってはいけない値上げ
なぜ整骨院の客単価は上がらないのか
客単価が上がらない院には、いくつか共通した構造があります。まず、1回あたりの単価が保険施術で固定され、そこに自費の要素がほとんど乗っていないケースです。この場合、来院1回で受け取れる金額に上限があり、患者数を増やす以外に売上を伸ばす手段がなくなります。
次に、すでに提供している価値が価格に反映されていないケースです。丁寧な検査、原因の説明、生活指導、次回までのアドバイス。これらは本来価値のある行為ですが、無料の「サービス」として扱われ、単価に結びついていません。
整理すると、客単価が上がらない院には次のような特徴があります。
- 1回の単価が保険施術のみで構成されている
- 提供している価値が言語化されず無料になっている
- 2回目以降の来院に「続ける理由」を提示できていない
- スタッフによって提案の有無や内容がばらばら
つまり客単価は、値上げという一つの操作で決まるものではなく、メニュー設計と価値の伝え方と継続の仕組みの掛け算で決まります。ここを分解して考えることが出発点になります。
保険中心モデルの限界と自費という考え方
柔道整復の療養費は、近年の改定のたびに算定の条件が厳しくなる傾向が続いています。部位数に応じた単価の扱いや、施術期間や同意に関する要件など、細かなルールが積み重なり、保険収入だけに頼る経営は一般に不安定になりやすいと言われています。制度の詳細は個別の状況によって異なるため、断定はできませんが、収入源を一つに集中させること自体がリスクである点は変わりません。
ここで大切なのは、保険を否定することではありません。保険は入口として今後も有効です。ポイントは、保険という入口で出会った患者に、自費という選択肢を無理なく提示できる状態を作ることです。
保険と自費を並行して展開する具体的な進め方については、整骨院の自費移行完全ガイドで移行パターンや手順を詳しく解説しています。客単価アップの土台として、あわせて読んでみてください。
自費メニューの作り方
客単価を上げる中心になるのが自費メニューです。ただし、いきなり高額なメニューを並べても患者はついてきません。順番が大切です。ここでは価値の伝え方、価格設定、回数券やサブスクの三つに分けて考えます。
価値の伝え方が単価を決める
患者が価格を高いと感じるのは、金額そのものではなく「その金額に見合う理由がわからない」ときです。逆に言えば、価値が伝われば価格は受け入れられます。
まずは、すでに提供している価値を書き出してください。検査でわかること、施術の狙い、生活で気をつけること、次回までの過ごし方。これらを一つのメニューとして束ね、「何が良くなるのか」「どう変わるのか」を患者の言葉で説明できるようにします。機能ではなく、患者にとってのメリットで語ることがポイントです。
「20分の電気」ではなく「肩が上がるようになって、夜に痛みで目が覚めなくなる状態を目指すコース」。施術内容ではなく、患者が手に入れる未来を主語にすると価値が伝わります。
価格設定の考え方
価格は「安くして様子を見る」から入ると、後で上げられなくなります。先に正規価格を決めてから、そこを基準に初回体験価格を設計してください。
目安として、正規価格は地域の競合の1.2〜1.5倍を一つの基準に置き、自院の強みで差をつけます。初回体験価格は正規価格の50〜60%に設定し、値引きではなく「体験投資」として位置づけます。ここで大切なのは、体験後に正規価格へ戻る導線を最初から用意しておくことです。
回数券やサブスクで客単価を安定させる
1回売り切りのメニューだけでは、客単価も来院回数も安定しません。ここで有効なのが回数券や月額サブスクです。
回数券はまとめて前払いしてもらう仕組みで、1回の購入単価が大きくなり、患者が通いきる動機づけにもなります。サブスクは月額で定期メンテナンスや通い放題を提供し、来院の習慣化と売上の安定につながります。まずは回数券から始め、継続する患者層が育ってきたらサブスクを追加する順番が導入しやすい流れです。設計の詳細は整骨院の回数券・月額サブスク導入ガイドにまとめています。
患者に無理なく提案するトーク
良いメニューを作っても、提案しなければ客単価は上がりません。とはいえ「売り込み」と感じさせると患者は離れます。無理のない提案には型があります。
もちろん今まで通り都度でも大丈夫なので、無理のない形で選んでいただければと思います。
提案がスタッフによってばらつくと、客単価も安定しません。トークをテンプレート化し、誰が対応しても同じ品質で伝わる状態にしておくことが大切です。
継続につなげる仕組み
客単価は「1回の単価 × 来院回数」で決まります。単価を上げても来院が続かなければ、生涯の売上はむしろ下がります。だからこそ、継続の仕組みを先に用意する必要があります。
とはいえ、施術後のフォローや次回リマインドをスタッフが手作業で続けるのは現実的ではありません。忙しくなるほど後回しになり、結局続かないからです。仕組みで回すことが前提になります。
□ 施術後の次回予約の案内トーク(全員が言える)
□ 来院後のLINEフォロー(体調確認と次回案内)
□ 一定期間来院がない患者への再来院メッセージ
□ 回数券やサブスクの残回数のお知らせ
LINEを使ったフォローの具体的な設計は整骨院のリピーター率を上げる5つの仕組みで詳しく解説しています。単価アップとリピート施策はセットで考えると効果が出やすくなります。
やってはいけない値上げ
最後に、客単価を上げようとするときに避けたい進め方をまとめます。同じ「単価を上げる」でも、やり方を間違えると患者の信頼を失います。
今までと同じ施術のまま価格だけを引き上げると、患者は「値上げされた」としか感じません。価格を動かす前に、必ず価値の言語化とメニューの再設計を先に済ませてください。
「今やらないと大変なことになる」と過度に不安をあおる提案は、一時的に売れても信頼を損ないます。効果を保証するような言い方も避け、あくまで見通しと選択肢として伝えることが大切です。
既存患者に何の説明もなく一律の値上げを告知すると、離脱が一気に増えます。まずは新メニューの追加という形で始め、既存患者には体験価格などの配慮を用意すると、無理なく単価を引き上げられます。
ソクヨヤで客単価アップの仕組みを自動化する
客単価を上げるうえで最大の壁は、提案とフォローを続ける手間です。施術後のLINEフォロー、次回予約のリマインド、回数券の残回数の案内、長期間来院がない患者への再来院メッセージ。これらを手作業で回そうとすると、忙しい院ほど続きません。
ソクヨヤは、これらをLINEで自動化します。
- 施術後のLINEフォローを自動送信
- 次回予約リマインドを自動配信
- 一定期間来院がない患者への再来院メッセージを自動化
- 来院履歴やリピート状況をまとめて管理
メニューを作って提案するところまでは院の仕事ですが、続ける仕組みの部分はソクヨヤが代わりに担います。単価を上げても来院が続く状態を作ることで、はじめて客単価アップが経営の安定につながります。
まずは15分のLINE相談から始めてください。自費メニューの内容や価格帯、御院の患者層をうかがい、客単価とリピートを両立させる仕組みをご提案します。